年齢を重ねるとともに心配の種になりやすいのが、子どもへの相続問題です。
とくに、不動産を含む財産をお持ちの場合だと、複数の子どもへの公平な相続が難しくなってしまいます。
そこで今回は、スムーズな相続のために知っておきたい遺言執行者の内容とともに、遺言執行の流れ、解任できるケースについて解説します。
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相続した不動産を売却するための遺言執行者とは
兄弟姉妹で不動産相続をめぐるトラブルを発生させないためには、遺言執行者についてチェックしておくのがおすすめです。
遺言執行者の概要
遺言書の意味をご存じでも、遺言執行者については、耳にしたことがない方がいらっしゃるかもしれません。
遺言執行者とは、その言葉のとおり、遺言のなかに記された故人の希望を実行に移す役割を担う方です。
子どもが複数いる方のなかには、自分に万が一のことがあった場合に備えて、財産の分け方について遺言書を作成する方がいらっしゃいます。
とくに、不動産など分けにくい財産をお持ちであれば、遺言書で具体的な分け方について、希望を残しておくことがあります。
しかし、遺言書はあくまでも故人の希望であり、相続人である子どもが異議を唱えた場合、遺言書どおりの遺産分割がおこなわれないかもしれません。
この点について、遺言執行者を選任しておけば、遺言執行者が遺言書に沿った相続を進めてくれます。
遺言執行者は誰に頼む?
遺言執行者として指名できるのは、未成年や破産した方などを除くあらゆる方です。
相続で大きなトラブルが起こらないと予測されるのであれば、子どものうち誰か1人を遺言執行者に指定しても良いでしょう。
ただし、遺言執行者に選ばれた方は、さまざまな手続きに時間と手間がかかりますので、不動産売却や法律の知識がある専門家に依頼するのがおすすめです。
具体的には、司法書士や弁護士などが、遺言執行者として適任です。
ただし、専門家に依頼する場合には、相続財産のなかから費用を支払うことになります。
遺言執行者が必要になるケース
遺言執行者とは、遺言書の内容を実現するために欠かせない役割を担う方です。
具体的には、自分が亡くなるまで住み続けた住宅について、自分の死後は不動産などの財産を売却処分して現金化してほしい場合などに、遺言執行者が必要になります。
このように、遺言書に基づき不動産を売却し、その売却代金を相続させることを清算型遺贈と呼びます。
不動産は所有者全員の同意がなければ売却できず、相続により所有者となった子どものなかで、1人でも不同意だと処分できません。
売却を前提とした不動産相続のトラブルを避けるには、清算型遺贈と遺言執行者の選任がおすすめです。
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遺言執行者選任から不動産売却完了までの流れ
遺言執行者による清算型遺贈を希望する場合、全体の流れをチェックしてみましょう。
遺言書を作成する
まず、自分が亡くなった後に相続してもらう財産について、どのように分けるかを遺言書にしたためます。
具体的な清算型遺贈の方法には、不動産を含む財産を現金化し、指定した割合どおりに相続してもらうものがあります。
また、所有する不動産のなかで特定の不動産のみを売却し、指定した割合どおりに相続してもらうことも可能です。
自分が希望する内容で遺言書を作成しますが、遺言書のなかで遺言執行者を指定することがポイントです。
遺言執行と相続登記
相続が発生するタイミングが訪れたら、清算型遺贈の執行が始まります。
遺言書のなかで指定された遺言執行者は、相続財産である不動産について、いったん子どもなどの相続人に名義を変更します。
相続による名義人変更には、相続登記の手続きが必要で、清算型遺贈でもこのプロセスを省略することはできません。
通常の相続では、子どもなどの相続人が相続登記を進めますが、遺言執行者が指定されている場合には、遺言執行者による相続登記が進められます。
相続人以外の相続登記となれば、相続人の同意や承諾は不要ですので、相続人のなかに意義を唱える方がいても作業を進められます。
最終的に不動産を売却することを考えると、相続登記は不要だと思われるかもしれませんが、正当な手続きを省略して清算型遺贈はできません。
不動産売却
相続登記によって不動産が相続人名義となったら、遺言執行者によって不動産の売却が進められます。
遺言執行者が選ばれている場合、子どもなど相続人が勝手に不動産を売ったり、貸し出したりすることは不可能になります。
遺言執行者による清算型遺贈であれば、遺言執行者が地元で信頼できる不動産会社のサポートを受け、買主を見つけるのが一般的です。
買主へ所有権を移す
遺言執行者と売却活動の結果として買主が見つかったら、その買主へ所有権を移します。
具体的には、所有権移転登記をおこない、名義を変更します。
所有権移転登記前後の流れは、相続登記を済ませたうえで買主と売買契約を結び、買主が住宅ローン審査にとおった後で、所有権移転登記および代金決済をおこなうのが一般的です。
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不動産売却時に遺言執行者は解任できる?
清算型遺贈において、遺言執行者には、相続人より強い権限が与えられています。
相続人の不利益につながる行為がある場合、遺言執行者の解任ができるかどうかを見てみましょう。
遺言執行者の解任が可能になる不利益
不動産を売却して、その代金を分配するよう遺言執行者が指定されている場合、不当な取引が認められると遺言執行者が解任されることがあります。
遺言執行者は、不動産会社のサポートを得て不動産売却を進めるのが一般的ですが、場合によっては不当なほど低価格で売却する可能性があります。
相場価格とはほど遠い安値で不動産を売却し、結果として相続人が手にする財産が減った場合、遺言執行者の解任が可能です。
遺言執行者を解任するには?
適切な価格での不動産売却がおこなわれなかったケースなど、正当な理由がある場合、家庭裁判所へ遺言執行者の解任を求められます。
正当な理由に該当するのは、遺言執行の役割を怠っている場合のほか、病気や怪我などで遺言執行ができない場合です。
また、遺言執行者の立場を悪用して相続財産を着服したり、特定の相続人に対して不公平な取り扱いをしたりした場合も、遺言執行者の解任ができます。
ただし、相続人の都合良く相続を進めてくれないなどの場合は、遺言執行者の解任が認められません。
遺言執行者によって損害を受けた場合は?
遺言執行者が不当な安値で不動産を売却し、相続人が受け取れるはずの金額を失った場合、遺言執行者に対して損害賠償請求が可能です。
損害賠償請求における損害とは、正当な価格と不当な安値の差額を指します。
したがって、損害賠償請求では、訴えを起こす相続人側が正当な価格を証明する必要があります。
ただし、実際に損害を証明して賠償請求が認められるのが難しいことは、遺言執行者への損害賠償請求における注意点です。
遺言執行者とのトラブルを避けるには?
遺言執行者が選任されている場合、相続人は何もできない訳ではありません。
相続人には、遺言執行者に対して執行状況を照会することが可能です。
不動産売却が終わったら代金の分割がおこなわれますが、この段階で不当な取り引きに気がついても手遅れになるかもしれません。
したがって、遺言執行が完了するまで放置するのではなく、何回か適切なタイミングで遺言執行状況を照会することが、トラブルを回避する対策です。
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まとめ
遺言執行者とは、遺言の内容を実行する役割を担う方で、不動産の売却など清算型遺贈を進める方です。
実際の遺言執行は、遺言書による遺言執行者の指定、相続登記、不動産売却と所有権移転登記の流れで進みます。
遺言執行者には相続人より強い権限が与えられていますが、不当な不動産売却などの正当な理由がある場合は、家庭裁判所へ解任を求められます。
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輝広 メディア編集部
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