不動産を売却すると税金がかかりますが、税金の種類は法人と個人で異なります。
双方では税率も異なるので、事前に計算方法や節税方法を確認しておくと安心です。
今回は法人が不動産売却をした際の税金について、計算方法や節税のコツを解説します。
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目次
不動産売却時に法人にかかる税金とは
不動産売却時に課される税金は、個人と法人とでは考え方が大きく異なります。
個人の不動産売却では、譲渡所得(利益)のみに対して税金がかかります。
そのため、不動産売却をしても譲渡所得が発生しなければ、税金はかかりません。
法人の不動産売却では、売却益と企業全体の利益を合算した金額に税金が課されます。
この点を理解したうえで、法人が不動産売却をした際の税金の種類について見ていきましょう。
税金の種類1.法人税
法人税とは、法人が事業活動によって得た所得に対して課税される税金です。
法人の不動産売却はあくまでビジネスの一環であり、事業で得た利益も合算して計算されます。
個人の不動産売却とは違い、不動産取引による情報だけでは、税額を計算するのは難しいでしょう。
税金の種類2.法人事業税
法人事業税は地方税の一種で、事業をおこなううえで必要となる公共施設などに課税されます。
各地のインフラや公共施設などを維持するための費用として、法人が所在する自治体に納付します。
林業や社会福祉法人といった公共事業をおこなっている法人には課税されません。
税金の種類3.法人住民税
法人住民税も法人事業税と同じく、法人が所在する自治体に対して納付する税金です。
事業所が複数ある場合は、それぞれの所在地で法人住民税を納める必要があります。
本社だけが課税対象になるわけではない点に注意しましょう。
税金の種類4.消費税
個人の不動産売却では、仲介を依頼した不動産会社や司法書士への報酬に対して消費税が課されます。
一方で法人の場合は、上記に加えて建物部分の売却価格も課税対象です。
消費税の課税対象となる取引の1つに「資産の譲渡」という項目があり、不動産売却はこれに該当するためです。
不動産会社は取引先から対価を得て資産を譲渡するため、どのようなケースでも課税対象となります。
なお、土地は建物のように使用や転売によって価値が減少するわけではないので、消費税はかかりません。
税金の種類5.印紙税
印紙税とは、課税文書に対して課税される税金です。
不動産売却においては、買主と交わす売買契約書に対して課税されます。
これは個人が不動産を売却する際も同様で、印紙税の金額は不動産の売買価格によって異なります。
軽減税率適用後の印紙税額は以下のとおりです。
●売買価格500万円超~1,000万円以下:5,000円
●売買価格1,000万円超~5,000万円以下:1万円
●売買価格5,000万円超~1億円以下:3万円
●売買価格1億円超~5億円以下:6万円
2027年3月31日までは軽減税率が適用され、上記は軽減税率を適用したあとの金額です。
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法人の不動産売却で生じる税金の計算方法
続いて、法人税と法人事業税の計算方法について解説します。
法人税の計算方法
法人税を求める計算式は以下のとおりです。
法人税 = 課税所得 × 税率
法人税を求める際は、まず事業で得た利益から損金を差し引き、課税所得を算出したうえで計算します。
損金とは、たとえば広告費や光熱費、人件費、原材料費などです。
税率は会社の規模や所得額などによって異なり、大まかに普通法人・協同組合・公益法人ごとに分けられます。
●普通法人:年間所得が800万円以下 19%または15%・年間所得800万円以上 23.2%
●協同組合など:年間所得800万円以下 19%または15%・年間所得800万円以上 19%
●収益事業のある公益法人など:年間所得800万円以下 19%または15%・年間所得800万円以上 19%
また法人が土地を売却する際は、法人税とは別に重課税も課されます。
重課税とは、土地の譲渡所得に対する税金を重くする制度です。
税率は不動産の所有期間によって異なり、所有期間が5年未満であれば10%、所有期間が5年超えだと5%です。
ただし2026年3月31日までは停止措置が適用され、この期間に売買した場合は非課税となります。
法人事業税の計算方法
法人の不動産売却では、利益を求めたあとに税金の計算をおこないます。
法人住民税を求める計算方法は下記のとおりです。
法人事業税 = 所得 × 法人事業税率
税率は各都道府県によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。
たとえば兵庫県の場合、普通法人かつ標準税率が適用された場合は下記のようになります。
●課税所得年400万円以下の部分:3.5%
●課税所得年400万円超年800万円以下の部分:5.3%
●課税所得年800万円超の部分:7.0%
法人事業税は、原則として事業年度終了後2か月以内に確定申告によって納めます。
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不動産売却における節税方法
不動産という高額な資産を手放すわけですから、少しでも多くの資金を手元に残したいですよね。
最後に、不動産売却における税金の節税方法を解説します。
節税方法1.利益分散で税率を下げる
法人は個人と違い、不動産売却で発生した利益を事業全体の損益から差し引くことができます。
不動産売却で得た利益をほかの所得に分散すれば、税率を下げることが可能です。
具体例として、利益を役員の退職金に充てる方法があります。
役員が退職する時期に合わせて不動産売却をおこなえば、大きな節税に繋がるでしょう。
節税方法2.投資を増やして利益を圧縮する
不動産の売却益が大きくなると、その分税金をたくさん支払うことになります。
不動産売却で得た利益を投資に回せば、その分利益を減らせるため節税に繋がります。
これを特別償却といい、建物の購入時に発生するような減価償却費に、さらに減価償却費を加えられるという仕組みです。
会社の将来を考え、新しい設備に投資するのもおすすめですが、設備であれば何でも良いというわけではありません。
特別償却できる設備には、おもに以下の2つがあります。
●A類型:最新モデルの設備や年平均で1%以上の生産性を向上させられる設備
●B類型:生産ラインや生産でのオペレーションを改善できる設備
また、これらの設備を購入したからといって、すぐに法人税から控除できるわけではありません。
A類型では節税優遇を得るための証明書をメーカーから取得し、B類型では投資計画を作成して経済産業省へ申請する必要があります。
節税方法3.特別控除を利用する
法人の不動産売却時における節税方法として、特別控除の利用も挙げられます。
たとえば公共的な目的のために土地の権利を取得すると、損失に対して最大5,000万円まで控除することが可能です。
また、160万円以上の機械装置や70万円以上のソフトウェアを購入した際に、取得価額に対して7%の控除を受けることもできます。
控除を受けるには条件などがありますが、節税方法の1つとして、適用できそうなものがないか調べてみることをおすすめします。
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まとめ
法人でも個人でも、不動産売却によって利益を得たら税金が課されます。
ただし法人の場合は、不動産売却益も事業全体の収益に計上され、全体の収益に対して課税される点が特徴です。
不動産売却で大きな利益が出た場合は、最新設備を購入したりほかの所得に分散させたりして、うまく節税に繋げましょう。
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輝広 メディア編集部
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