新しく戸建てで住宅を購入する際は、事前に構造や設備を確認しておくことが重要です。
そのため、以前住んでいた家と違った構造や見慣れない設備についてもある程度知識を持っておいたほうが良いでしょう。
今回は、屋根が平らなタイプの物件でしばしば見られる構造、パラペットの解説をします。
戸建て住宅で注目するべきパラペットとはどんな構造?
パラペットとは、建物の屋上や屋根の端に設置されている立ち上がり部分です。
勾配がなく平たい陸屋根(りくやね)の周縁部にある少し高くなった部分といえば、見たことのある方も多いかもしれません。
戸建て住宅では、屋根が平たいキューブ型の住宅などでパラペットが多く使われています。
パラペットの高さは10cm程度から150cmまで幅がありますが、その主な役割は防水です。
陸屋根は降った雨水を防水ドレン(排水口)から樋に流す構造となっていますが、パラペットがないと多くの水は屋根の縁から壁に流れてしまいます。
壁を伝って水が流れると雨漏りの可能性が高くなり、建材も劣化しやすくなります。
そういった被害を防ぐためにパラペットが必要なのです。
また、十分な高さがあるパラペットは転落防止の役割も担っています。
パラペットのある戸建て住宅を購入した際のメリットとデメリットは?
パラペットを設置するメリットのひとつは、外壁の劣化と雨漏りを防ぐことです。
壁伝いに流れる水の量を減らすことで、陸屋根のキューブ型住宅でも美しい外壁を保ち雨漏り被害を減らせます。
そして屋根や屋上など人が出入りする場所では、パラペットが転落防止にも役立ちます。
転落防止の方法としては高めのパラペットを設置する、パラペットと一体化した柵を設置するなどさまざまな工夫ができるでしょう。
また、勾配のついた屋根を持つ建物でもパラペットを設置することで、キューブ型住宅のようなスタイリッシュな外見に見せることが可能です。
一方、パラペットにはいくつかデメリットも存在します。
雨や水に触れる機会が多いパラペットにはメンテナンスが欠かせません。
パラペット上部の笠木部分、屋根との接続部にある内樋部分が劣化すると雨漏りの原因となります。
雨樋と違いパラペットの下部はそのまま住宅部分なので、雨漏りが発生した場合の被害は大きくなりがちです。
こういった雨漏りは屋根にあるドレン部の詰まりでも発生するため、パラペットのある住宅では定期的に掃除や確認をおこない、場合によっては防水工事もおこなう必要があるでしょう。
また、コスト面の問題も存在します。
パラペットの設置や修繕は、外壁リフォームや板金工事に分類される作業です。
分野の違う屋根修理業者に発注すると、二重発注で余計な費用が発生する可能性があるので注意しましょう。