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加古川市の不動産相続で親が認知症になる前に備える家族信託の進め方と実家売却のポイント

天水 雅也

筆者 天水 雅也

不動産キャリア30年

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親の物忘れが増えてきたと感じた時、実家や不動産相続のことが急に現実味を帯びてきます。
しかし、認知症が進んでからでは、加古川市の自宅や実家を売却したくても、法律上の手続きが進められず、事実上の資産凍結となってしまうおそれがあります。
その結果、空き家となった実家の管理や固定資産税の負担が、40代の子世代に重くのしかかることも少なくありません。
そこで注目されているのが、家族の中で信頼できる人に不動産の管理・売却権限を託す家族信託という方法です。
この記事では、親が元気なうちに実家の売却権限を確保する考え方と、認知症や成年後見制度との違い、さらに家族信託を使った具体的な備え方まで、分かりやすく整理してお伝えします。


加古川市で親が認知症になると実家売却はどうなる?

親が認知症になると、売買契約や名義変更などの法律行為は、原則として「自身の判断で内容を理解して決められるかどうか」が重要になります。
判断能力が低下した状態で結んだ不動産売買契約は、無効や取り消しの対象となるおそれがあり、金融機関や司法書士も手続きに応じにくくなります。
その結果、預貯金や不動産などの資産に家族が自由に手を付けられない「資産凍結」に近い状態となり、実家を売却して介護費用や施設入所資金に充てたい場面で動けなくなるリスクが高まります。
こうした危険を避けるには、本人の判断能力がしっかりしているうちに、売却の方針や権限の持たせ方を整理しておく必要があります。

全国的には、高齢化の進行とともに認知症の人も増えており、厚生労働省研究班の推計では、2025年には認知症の人が約700万人、高齢者の約5人に1人に達すると見込まれています。
加古川市でも第8期高齢者福祉計画の中で、地域で認知症の人を見守り、早期発見や支援体制を強化する必要性が示されており、高齢化の進行を前提とした施策が進められています。
親がそのまま一人暮らしを続けた結果、入院や施設入所をきっかけに誰も住まない実家が残るケースも多く、管理が行き届かないと雑草の繁茂や建物の劣化などから、近隣への迷惑や防犯上の不安につながりやすくなります。
さらに、空き家状態が長期化すると、固定資産税などの維持費負担に加え、遠方から通って管理する子世代の時間的・精神的な負担も大きくなります。

また、誰も住まなくなった実家を放置すると、空家等対策の推進に関する特別措置法にもとづき、管理不全空き家や特定空き家として行政から指導や勧告を受ける可能性があり、改善がなされない場合は固定資産税の優遇が外れることもあります。
このように、親の認知症と実家の空き家化は、高齢の親自身の生活だけでなく、子世代の経済的・心理的負担にも直結する問題になりやすいです。
とくに40代の子世代は、仕事や自身の子育てと並行して親の介護や実家の管理を担う年代でもあるため、実家を将来どうするかを早い段階で話し合い、売却や活用の方針を家族で共有しておくことが重要です。
そのうえで、親の判断能力が十分なうちに、売却時期や名義の整理、必要に応じた権限の持たせ方など、具体的な行動の期限を意識して準備を進めることが望ましいです。

場面 想定されるリスク 40代子世代の対応の目安
親が自立生活の段階 将来の方針が不明確 実家の扱いと売却希望の確認
物忘れが増えてきた段階 契約能力低下と資産凍結 名義整理と権限の確保検討
施設入所や長期入院の段階 空き家化と維持費の増加 早期売却や活用方法の決定

成年後見制度だけでは加古川の実家売却が難しくなる理由

成年後見制度は、判断能力が十分でない人の財産を保護するために、家庭裁判所が後見人を選任し、預貯金や不動産などの管理を行う仕組みです。
その目的が「財産の保全」にあるため、自宅や実家の売却は、生活費の確保や施設入所費用の支払いなど、本人の利益が明確な場合に限定して認められやすいとされています。
その結果として、子が相続対策や将来の空き家予防のために早めに売却したいと考えても、成年後見制度の枠組みの中では柔軟に進めにくい場面が生じます。
親の認知症対策と思って成年後見を選ぶと、かえって実家売却の選択肢が狭まる可能性がある点に注意が必要です。

成年後見開始後に実家売却を行う場合、まず後見人が売却の必要性を整理し、売買契約の内容や売却価格が妥当かどうかを検討したうえで、家庭裁判所へ許可の申立てを行う流れになります。
その際、本人の居住状況や介護方針、売却代金の使途などを資料として説明する必要があり、家族だけで柔軟に決めていた頃と比べると、手続きと時間の負担が大きくなりがちです。
さらに、後見人は家庭裁判所への定期的な報告義務を負うため、売却後も財産管理の内容や残高を詳細に記録し続けなければなりません。
こうした運用上の前提から、家族の裁量で「タイミングを見て売る」「状況に応じて賃貸に切り替える」といった柔軟な判断がしにくくなることが、実務上の大きなデメリットです。

成年後見を利用する場合、家庭裁判所への申立てには収入印紙や郵便切手、医師の鑑定料などとして数万円程度の実費が必要とされています。
さらに、申立書類作成を司法書士や弁護士に依頼すると、その報酬としておおむね数万円から10万円台程度の費用がかかる例が多く見られます。
後見が開始した後は、後見人への報酬について、家庭裁判所が本人の財産額や事務の内容に応じて月額数万円程度を目安に決定する運用が一般的とされています。
この報酬は原則として本人の財産から長期間継続して支払われるため、実家を売却しても、その代金が後見人報酬や管理費用として少しずつ減っていく点を、事前に踏まえておくことが重要です。

項目 成年後見制度の特徴 実家売却への影響
制度の目的 本人財産の保全 相続対策目的売却は困難
売却の決定権 家庭裁判所の許可前提 家族の自由な判断が制限
費用と期間 申立実費と継続報酬 長期化により負担増加

家族信託で「加古川の実家の売却権限」を事前に確保する方法

家族信託は、親が元気なうちに自宅や実家などの財産管理を家族に託し、認知症になった後も滞りなく管理や処分を続けられるようにする仕組みです。
信託では、財産を出す人である「委託者」、管理や処分を担う「受託者」、利益を受け取る「受益者」という3つの立場を決めます。
一般的には、親が委託者兼受益者、子が受託者となる形が多く、親の生活費や介護費を確保しつつ、子が実務を進める設計が選ばれています。
信託契約で不動産の管理・売却権限を明確にしておけば、認知症発症後も家庭裁判所の手続きに頼らずに、実家の活用や売却を進めやすくなります。

加古川市の自宅や実家を家族信託の対象にする場合、まず親が十分に判断できる段階で、どの不動産を信託財産とするかを整理することが大切です。
そのうえで、40代の子が受託者となり、信託契約書の中で「信託不動産を必要に応じて売却し、その代金を親の生活や介護費用に充てる」などの権限と使途を具体的に定めます。
不動産を信託する際には、所有権名義を受託者名義に変更する登記が必要となるため、信託の目的や売却の条件を登記実務を踏まえて事前に検討しておくことが重要です。
さらに、売却代金を受け取るのは誰か、親が亡くなった後に残った財産を次に誰へ承継させるかも、信託契約の条項として前もって決めておくと安心です。

遺言は死亡後の財産の配分を決める手段であり、生前の財産管理や認知症対策には直接の効力がありません。
また、生前贈与で子に名義を移す方法は、贈与税や将来のトラブルリスクを慎重に検討する必要があり、成年後見制度は原則として財産の保全が優先されるため、実家売却など積極的な活用は限定されやすい面があります。
これに対して家族信託は、生前の管理から死亡後の承継先までを一体的に設計できるうえ、特定の不動産だけを対象とするなど柔軟な設計が可能とされています。
将来の相続を見据えて「誰が、いつまで、どの財産を、どのような目的で管理・処分するか」を具体的に決められる点が、家族信託ならではの強みです。

制度名 主な役割 実家売却との相性
家族信託 生前管理と承継設計 受託者が柔軟に売却
遺言 死亡後の分け方指定 生前売却には直接不向き
成年後見 判断能力低下後の保全 積極売却は認められにくい

加古川市で家族信託を進める具体的な準備ステップ

まずは、親の体調や物忘れの様子が大きく変わる前の段階で、落ち着いて話し合う時間を確保することが大切です。
加古川市が公表している認知症相談支援ガイドブックでも、早い段階から家族で情報共有や相談先の確認を進める重要性が示されており、将来の生活や住まいの希望を整理するきっかけになります。
具体的には、実家を将来どう活用したいか、売却や賃貸も選択肢に入るか、誰が管理を担うのがよいかといった項目を書き出して、親の考えを丁寧に聞き取りながら整理していくとよいでしょう。
こうした準備を通じて、家族信託に適した目的や信託財産の範囲が徐々に明確になっていきます。

次に、家族で大まかな方向性を共有できた段階で、家族信託の利用を前提とした専門家への相談を検討します。
信託契約書を公正証書で作成する場合、公証役場での手続が必要になり、加古川市内にも公証役場が設置されています。
公正証書の作成手数料は、公証人手数料令に基づき、信託の目的となる不動産の評価額などから算定され、例えば目的価額が数千万円規模の場合は数万円台から十数万円程度の手数料が目安となります。
このほか、公正証書の正本・謄本の作成費用や、家族信託のスキーム設計と契約書文案作成を依頼する専門家報酬が別途かかるため、事前に概算見積を取り、家族で費用負担の方法を確認しておくことが重要です。

さらに、実家の売却を将来の選択肢とする場合には、信託期間や受託者の選任方法について、慎重に検討する必要があります。
家族信託の一般的な説明では、信託財産の価額や内容に応じて、公証役場の手数料に加え、専門家への報酬が総額で数十万円規模となる例が多く、受託者に過度な負担がかからないよう信託の目的と事務範囲を具体的に定めることが推奨されています。
受託者には、実家の管理や将来の売却手続を継続して担えるかどうか、居住地や勤務状況、他の相続人との関係なども含めて総合的に判断し、候補者の同意を得たうえで指定することが望ましいです。
また、信託期間を親の存命期間に限定するのか、次の相続発生後までとするのかによっても、相続手続の流れや将来の費用負担が変わるため、専門家と相談しながら慎重に決めていきます。

準備段階 主な確認内容 加古川市でのポイント
家族での事前整理 親の希望と実家の将来像 認知症相談支援ガイド活用
専門家相談 信託スキームと費用見積 公証役場手数料と報酬確認
信託内容の決定 受託者選任と信託期間 将来の売却や相続を想定

まとめ

親が認知症になると、不動産の売却や名義変更ができず、資産が事実上凍結してしまいます。
実家が空き家になると管理や固定資産税の負担も増え、40代の子世代に大きな重荷となります。
成年後見制度は財産保全が優先されるため、柔軟に実家売却を進めにくい面があります。
一方で家族信託なら、親が元気なうちに子が売却権限を持つ設計が可能です。
当社では家族信託を活用した不動産相続の進め方を、わかりやすく個別にご提案しています。
親の認知症が進む前に、まずは一度ご相談ください。

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代表取締役

天水 雅也

30 年の不動産業界キャリア


保有資格

宅地建物取引士 住宅ローンアドバイザー 競売不動産取扱主任者 ファイナンシャルプランナー

担当者からのメッセージ

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