土地の売却において注意すべきことのひとつに「地中埋設物」があります。
この存在に気づかずに土地を売却してしまい、引き渡し後にトラブルに発展する事例が発生しています。
そこで今回は、土地の売却を検討している方に向けて、地中埋設物とはなにか、調査方法や撤去の仕方についてご紹介します。
撤去しなくても良い例についてもご紹介しますので、土地の売却を検討している方はぜひ参考にしてください。
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弊社へのお問い合わせはこちら地中埋設物とはなに?複数のタイプが存在する
地中埋設物とは地中に埋まった障害物のことで、さまざまなタイプが存在しています。
物件の建築に悪影響のある埋没物を地中埋設物として表すことが多いですが、水道管や下水道施設なども地中埋設物のひとつとして数えられます。
タイプ①建築資材
建築資材とは瓦屋根やコンクリート片、鉄骨などの建築廃材や既存建物の基礎部分などのことです。
産業廃棄物に対する規制が厳しくなった現代では考えられませんが、過去には建築物の解体によって発生した建築廃材の処理コストを抑えるために、そのまま地中に埋めて処分するケースが少なくありませんでした。
重機などを利用して深く穴を掘って廃材を埋めてあるため、現在まで誰にもばれずに埋まったままになっているのです。
これらは新しく家を建築する際に基礎工事に支障をきたす地中埋設物となります。
タイプ②地中廃棄物
地中廃棄物とは、意図があって埋められた建築資材とは異なり、もともと地下に埋められていたものです。
古い井戸や水道管、浄化槽、土管などが当てはまります。
ほとんどの場合、以前建っていた建築物の解体時に撤去されるものですが、撤去忘れなどによりそのままの状態で残っていることがあります。
これらの地中埋設物も地中に残っていることが判明した場合は撤去が必要です。
とくに、古井戸などは子どもの転落リスクも生じるため必ず埋め戻しをしなければいけません。
タイプ③その他の地中埋設物
主に建築資材と水道管や浄化槽などが地中埋設物として有名ですが、その他にも以下の例があります。
●古タイヤ
●医療廃棄物、衣服
●地下室
●岩
上記のように、意図的なものや撤去忘れによってさまざまな種類のものが地中に埋められている可能性があるのです。
土地の売却前に地中埋設物の調査をおこなう理由とその調査方法
土地を売却するときは、地中埋設物の調査をおこなう必要があります。
「土地を売却するときに地中埋設物まで調べる必要ってあるの?」と考える所有者もいらっしゃるでしょう。
なぜ地中埋設物の調査が必要なのか、その重要性や調査方法、流れについてご紹介します。
地中埋設物を調査する理由とは?
地中埋設物を調査する理由は大きく2つあります。
1つ目は地盤の強度が低下するリスクがあることです。
地中埋設物を長期間放置していると地盤の強度が低下し、土地の引き渡し後の建築工事に支障をきたします。
また、地震の揺れに耐えられずに大きな被害を受ける可能性もあるでしょう。
2つ目は契約不適合責任に問われるリスクがあることです。
契約不適合責任とは、売買契約時の内容と異なるものを引き渡した場合、売主が買主に対して責任を負わなければいけない義務です。
契約書には地中埋設物の記載がなかったにも関わらず、引き渡し後に家を建築しようとしたら地中埋設物によって撤去費用がかかったり、計画どおりに土地が利用できなかったりすると契約不適合責任が問われます。
契約不適合責任によって、売主は以下のような責任を追求される可能性があります。
●買主から地中埋設物の撤去費用などを含む損害賠償請求をされる
●契約不適合責任によって無条件の契約解除となる
契約不適合責任の範囲や期間は定められているものではありませんが、地中埋設物を調査せずに売却することでトラブル発生リスクが上がります。
土地の売却のときにはしっかり調査をおこなったうえで、土地の情報を隅々まで共有しましょう。
地中埋設物の調査方法と流れ
地中埋設物の調査は3つの方法を組み合わせておこないます。
手順①地歴調査
まず、自分が所有する土地に地中埋設物が存在しているのかどうかを調べていきます。
地歴調査には登記簿や地形図などを利用して、過去にどのような建築物が建てられていたか、どのように土地が活用れてきたかをチェックします。
たとえば、現在は更地でも過去に工場があった場合、土壌が汚染されていたり廃材が埋まっていたりする可能性があるなどの予測をたてることが可能です。
手順②地中レーダー探査
地中レーダー調査とは、地面の上でアンテナを走らせることによって、地中埋設物の有無だけでなく地中の空洞や地盤の強度を読み取れるものです。
地歴調査によって地中埋設物が存在する確率がある場合におこなわれます。
手順③ボーリング調査
地中レーダー調査でも地中埋設物の反応があり、存在する確率が高いことが分かった場合、最後の調査であるボーリング調査がおこなわれます。
地面に穴を開けハンマーを落とす仕組みによって地盤の強度は問題ないかという部分を調査していきます。
地中埋設物はどうやって撤去する?必要ない場合の注意点
売却予定のある土地に地中埋設物が見つかった場合、速やかに撤去作業を進めていきましょう。
建築資材などの撤去方法
地中埋設物として多いコンクリート片や瓦などの建築資材・廃材は重機によって掘り起こして撤去を進めていきます。
地中埋設物が無事に撤去できたら、トラックに積み産業廃棄物処理場に運んでもらうという流れです。
撤去費用は地中埋設物の量や大きさ、深さなどによって異なりますが30万程度かかるケースも少なくありません。
撤去不要なケース
過去にコンクリート造のビルや建築物が建っていた場合、地中深くまで基礎杭が打ち込まれているケースがあります。
この場合、基礎杭は土壌汚染や地盤の強度を低下させるリスクがないことから、買主にとって不利益と判断されません。
そのため、基礎杭は地面から1.5mの深さのところで杭を切断して残りは放置しておくケースが多いです。
地中深くまで掘って撤去することは可能ですが、100万円以上のコストがかかってしまうため売主としては避けたい手段ですよね。
もし、買主が基礎杭の撤去を強く希望している場合は、負担する費用を折半するなど話し合ったうえでおこなうと良いでしょう。
重要事項として伝えることでトラブルを防ぐ
地中埋設物の撤去を行なった場合、撤去をしなかった場合、どちらにしても土地の売却時に買主に土地の状況についてすべて説明する義務があります。
基礎杭が買主に不利益でないと判断された場合でも、重要事項として杭基礎が地中埋設物として存在していることを共有して売却するようにしましょう。
引き渡し後に地中埋設物が見つかった場合の負担責任や対応についても契約時に取り決めておくことで、将来のトラブルを未然に防ぐことができます。
まとめ
地中埋設物はコンクリート片や鉄骨などの建築資材の他に、浄化槽や土管などがあります。
土地の売却前に調査をおこなうことで、所有する土地の状態が把握でき、契約不適合責任を問われるリスクも軽減されます。
撤去する場合もしない場合も、重要事項として買主に伝え、トラブルを未然に防ぐ行動をしていきましょう。
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輝広 メディア編集部
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