土地の売却をするときには、基本的に売主が境界を明示することとされています。
しかし、境界を確認できない筆界未確定の土地である場合、売却はできるのでしょうか。
今回は、土地の売却を検討されている方に向け、筆界未確定の基礎知識や売却方法などについて解説します。
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筆界未確定とは?土地の売却で知っておきたい境界の基礎知識
土地をスムーズに売却するためにも、境界や筆界未確定についての知識を備えておくことは大切です。
まずは、筆界未確定とは何か、筆界と所有権界の違いなどについて解説します。
境界の種類
土地を売却する際には境界が重要な要素となりますが、実は境界には2つの種類があります。
ひとつは、民民の境界です。
民民の境界とは、隣地の所有者との境目となる境界を指します。
もうひとつは、官民の境界といわれるものです。
官民の境界とは、県道や市道といった公道と土地の境目になる境界です。
スムーズに売却するには、境界が確定していることが大切といわれます。
境界が確定している状態とは、2種類の境界がいずれも確定している状態です。
筆界と所有権界の違い
境界の概念は、筆界と所有権界に分けられます。
筆界とは、簡単にいうと登記された境界のことです。
不動産登記法によって筆界は定義されており、公法上の境界ともいわれます。
それに対して、所有権界は私法上の境界といわれます。
所有権界とは、隣接する土地の所有者同士がもつ、所有権と所有権が接するところの境界線です。
つまり、所有権がおよぶ範囲を所有権界と呼び、筆界とは異なるものとして扱われています。
所有権界は登記に反映されておらず、筆界と一致しないケースも少なくありません。
たとえば、隣接する土地の所有者間で、土地を使いやすくするための所有権界に合意したものの登記はしていない場合、所有権界と筆界が異なる状況になります。
筆界未確定とは
筆界未確定とは、筆界が定まっていないことを指します。
筆界未確定が生じるケースは、隣り合う土地の所有者間で揉めた場合や、一筆地調査に所有者が立ち会わなかった場合です。
一筆地調査とは、土地の所有者が立ち会いをしながら、土地の境界をはじめ、地番や面積、所有者を確認するものです。
具体的には、登記簿と公図にもとづいた調査図を現地と照らし合わせ、筆界を調査します。
しかし、筆界の確定を拒否されたときや、確認できなかった場合には、筆界未確定の土地となります。
筆界未確定であっても、所有者の権利は残りますが、いくつかの問題が生じることに注意が必要です。
たとえば、筆界未確定の土地は分筆や合筆ができません。
相続した土地の一部を売却しようとする場合でも、分筆ができないことになります。
また、地目の変更もおこなうことができません。
地目とは、登記簿に記載される土地の用途で、宅地や雑種地などの種類があります。
ほかにも、登記簿に記載されている面積を修正する地積更生ができないことなどが挙げられます。
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筆界未確定でも土地の売却はできる!境界明示義務も解説
筆界が定まっていない筆界未確定地の土地は、売却することができるのでしょうか。
また、筆界未確定地を売却する場合、売主が求められる境界明示義務についても理解しておくことが重要です。
売却はできる
筆界未確定地の場合でも、売却は問題なくできます。
たとえば、相続で取得した土地が筆界未確定地だった場合、境界を示すことはできませんが、売却自体はできるのです。
しかし、境界があいまいになったままの土地は、買主が見つかりにくいことに注意が必要になります。
大きな買い物である不動産を検討している買主にとって、筆界の確定状況は信頼性にもつながってくるポイントです。
筆界未確定になっていると、隣り合う土地の所有者との間で、後々トラブルに発展するリスクが考えられます。
そのため、売却はできるものの、買主との間で大切になってくるのが「境界明示義務」です。
境界明示義務とは?
境界明示義務とは、売主が買主に対して、取引する土地の境界を明示することです。
具体的には、ブロック塀や境界杭などの固定物で境界を示し、土地を購入する買主が境界線を確かめることができるようにします。
筆界未確定であれば、明示できるようにするには、売却活動よりも先に確定が必要です。
ただし、境界明示義務は、法的な義務ではなく強制力はありません。
つまり、「義務」とついているものの、必ずしも明示しなければならないわけではないのです。
理論上は、売買契約書に境界明示義務の項目を記載しなければ、境界の明示をしなくても契約上の問題ははく、売却できることになります。
しかし、買主にとって、登記は法的な根拠につながるため、筆界が定まっていることは重要です。
売り出すことは可能でも、明示をしないと、買主から敬遠される可能性もあります。
売却の際は、売買契約書のなかに土地の境界を明示する項目を記載し、義務を生じさせることが一般的です。
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筆界未確定の土地売却!2つの売却方法を解説
売りたいと考えている土地が筆界未確定でも、適切な方法によって、売却することは可能です。
ここでは、筆界未確定の土地を売却する2つの方法を解説します。
筆界未確定を解消する売却方法
筆界が定まっていない土地を売るために、境界を確定させる方法があります。
筆界未確定を解消して売却する大まかな流れは、「隣地の所有者との話し合い」「筆界確認書の作成」「地積更正登記」の3つのステップです。
まずは、隣地の所有者と話し合って、隣地との境界線を確定させます。
所有者同士の合意がとれたら、次は筆界確認書の作成です。
筆界確認書は、所有者が合意した土地の境界について、取り決めをまとめた書類です。
筆界確認書とあわせて、合意のとれた境界について、確定測量図などを土地家屋調査士が作成します。
売却をスムーズにおこなえるよう、地図訂正もします。
筆界確認書と地図訂正の作成により、売買契約書で境界を明示することが可能です。
また、隣地の境目だけでなく、道路との境界も定める方法として、道路明示の申請をおこないます。
申請後は、審査を経て、道路境界明示書を受け取ります。
つまり、売却する土地の周りを囲む隣地との境界は筆界確認書、土地が面する道路との境界は道路境界明示書で確認が可能です。
いずれの書類も、売却をしたら買主に引き渡すものです。
最後に、測量図の面積と登記簿の地積に相違が出た場合は、登記簿の修正が必要になります。
修正の方法として、地積更生登記をおこないますが、筆界が確定できていないと地積更生もできません。
筆界未確定の解消に向けて、筆界確認書などを土地家屋調査士に依頼すると、費用が発生します。
しかし、筆界確認書や地図訂正を用意できていれば、売却後のトラブルのリスクも防ぐことができます。
境界明示も果たせるようになるため、売主も買主も安心できる売却につながることはメリットです。
特約をつけて売却する方法
境界の確定ができないケースでも、買主が承諾していれば、売却は可能です。
その際は、境界非明示の特約をつける方法で、売却を進めます。
境界非明示の特約によって、売ったあとに損害賠償請求が求められることのないようにします。
また、当事者間で合意書を交わすことも、トラブルを防ぐために重要です。
合意書は、売却後、境界に関する異議申し立てをおこなわない契約として署名押印する書類となります。
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まとめ
筆界未確定の土地でも、未確定の解消や特約をつける方法で、安心して売却することができます。
境界は、買主にとって取引の信頼性につながるものであるため、境界明示も重要です。
境界が明確な土地は、スムーズに売却を進めやすいことが利点です。
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